クラシア

COLUMN

【 工務店さん不動産会社さんとともに住宅業界を盛り上げる 】その115

2020.9.20

工務店支援

2つの失敗をしてしまいました。
かつて、施設系の建物の設計をした時のことです。
木造耐火構造、2階建て、屋上は庭園で利用。
1つ目の失敗は、構造選定を間違えたこと。
積載荷重が大きすぎて、スパンが飛びすぎていて、 結果、梁が大きくなり、@455で巨大な梁がたくさん入ってしまったこと。
しかも、鉛直荷重に木造の柱が耐えられず、
結果、鉄骨の柱が入ってしまいました。
2つ目の失敗は、耐火構造を甘くみていたこと。
木造耐火構造の出始めのころで、耐火構造の仕様がとても使いにくく、柔軟性がないので、納まりも悪く、施工性も悪い。
ボードも21ミリと大工さんでは重くて対応できなく、ビル系で言えば、ボード屋さんに貼ってもらったこと。
壁の厚みが厚いので、部屋も狭くなる始末。
エレベーターもあったので、流石に、エレベーターシャフトだけは鉄骨で組み上げましたが・・・。
完全に、構造方法の選定を間違えました。鉄骨造にすれば、ごくごく普通の納まりで済んだはずです。
実は、木造にした大きな理由があって、工期が短く、鉄骨では間に合わないと判断したからです。
当時、鉄骨価格が暴騰していた時期で、高いし、納期がかかる状況で、鉄骨を選定できなかったという理由もあったのです。
建物の完成、施設のオープンは何とか間に合いましたが、建築士として、構造選定を間違ったと、今でも反省している次第です。
当時、大規模木造建築を推進していた時期で、それも理由のひとつですが、
この建物はどう見ても鉄骨だろうというものを、無理やり木造建築にするのはどうなのかと思っています。
無理やり木造建築にするケース、かなり多いのではないでしょうか。
木造の限界を見極めて、構造選定することが大切だと感じていることろです。